「日本経済、3年で再生」 麻生首相が所信表明(2008.9.29付/日経ネット)
先月29日、麻生首相は所信表明演説で「日本経済は全治3年」とし、次のような3段階の措置を経て経済再生を実現すると述べた。
第170回国会における麻生内閣総理大臣所信表明演説(首相官邸HPより)
第一段階は、景気対策です(中略)第二段階は、財政再建です(中略)第三段階として、改革による成長を追い求めます。
以上、三段階について申し上げました。めどをつけるには、大体三年。日本経済は全治三年、と申し上げます。三年で、日本は脱皮できる、せねばならぬと信じるものであります。
この言葉、そのまま信用していいのだろうか?ここで私たちは思い出すべきだろう。2001年、当時の小泉内閣が、これと似たようなことを明言していたことを。
いまから7年前、小泉内閣が閣議決定した、構造改革に関する基本方針(通称「骨太の方針」)では、「今後2〜3年を日本経済の集中調整期間と位置付け(中略)その後は経済の脆弱性を克服し民需主導の経済成長が実現」すると述べられている。さらに「5年間で530万人の雇用機会の創出が期待される」と、はっきりと書かれている。
今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針(通称「骨太の方針」2001年6月26日)
このような施策の充実によって、今後雇用機会の拡大が見込まれるサービス部門への労働移動が円滑に行われることとなる。試算によれば、新規分野を含むサービス分野においては、5年間で530万人の雇用機会の創出が期待される。
果たして現実はどうだっただろう。2003年から2004年に、「骨太の方針」の言うところの「集中調整期間」を経て、その後「民需主導の経済成長が実現」しただろうか? 2006年までに「530万人の雇用機会」など創出されただろうか? むしろこの期間に、人々の生活はいっそう苦しくなっただけではないのか? 国税庁のホームページに「民間給与の実態調査結果」という統計資料が掲載されている。無機質な数字の羅列にじっくりと目をこらすと、小泉内閣の時代に何が起こったのかが浮き彫りになってくる。
例えば、年収200万円以下の人の割合を見てみよう。2000年までは10%台後半で推移していたのが、小泉内閣時代に急激に増加し、2006年には23%にまでなっている。特に女性の給与所得者の実態は深刻で、実に44%もの人々が年収200万円以下の状態に置かれている。20代・30代の若者も、深刻な状況に追い込まれている様子が分かる。年収が低下しつづけているのだ。1997年から2005年の間に、例えば25〜29歳の平均給与は373万円から340万円に減少(-34万円)している。30〜34歳では、実に450万円から405万円にまで減少している(-45万円)。
こうした過去の「自公連立政権の実績」に目をつぶったまま、また「日本経済は全治3年」などと言われても、いったいどこまで信用されるのだろうか?
投稿者 agata : 2008年10月07日 08:51